皆さんこんにちは。
埼玉県を中心に栃木県・東京都・千葉県で、コンクリートの補修・補強工事を、茨城県を中心に構造物調査や土質・地盤調査を手がけるエムズアクトです。
前回の記事では、コンクリート構造物の非破壊試験の重要性や手順をご紹介しました。非破壊試験は構造物を破壊しなくていい点が大きなメリットです。ただし、国土交通省の要領では新設の橋梁下部構造のフーチング部は外部供試体による試験を標準とすることとなっており、この外部供試体による試験というのが「微破壊試験(びはかいしけん)」です。ここでは、微破壊試験の特徴や種類について解説します。
■微破壊試験とは?
微破壊試験とは、構造物に必要最低限の破壊をして強度を調査する方法です。主に、構造物の施工者の品質管理を確認する目的で行われます。非破壊試験の記事でも解説したように、コンクリート構造物の強度に問題があると、使用中に歪んだり倒壊したりする可能性が否定できません。安全に使用できるようにするためには、事前の品質確認が欠かせないのです。
微破壊試験を非破壊試験と比較した場合、必要最低限とはいえ構造物を破壊しなければならないのは確かであり、外観への影響などが気になる場合もあります。しかし、この損傷は構造物の性能に影響を与えない程度のものですから、それほど大きな問題にはなりません。
■微破壊試験の種類と特徴
微破壊試験には、大きく分けて「ボス供試体」を使用する方法と「シュミットハンマー法」の2種類があります。それぞれの特徴やメリットを見ていきましょう。
・ボス供試体による強度測定
コンクリートと一体に成形された供試体の強度を測定する試験方法です。コンクリートを打つ場所に「ボス型枠」を取り付けておき、コンクリートを打設した後に割り取り、圧縮強度を測定します。要するに、コンクリートの一部に出っ張りができるようにしておき、固まってからそこを切り取って試験に使用するのです。
メリットは、コンクリートの品質を直接確認できるので品質確認の精度が高く、安全・安心な建物を作りやすいことです。ボス供試体の製作環境はコンクリート構造体とほぼ同じで、コンクリートの一部を抜き取って調べる「コア試験」と比較しても、試験の精度に差はありません。
また、採取したボス供試体は加圧面の研磨などの成形加工を必要としないため、スムーズな試験が可能です。さらに、建設後も定期的な耐久性モニタリングを行えば、コンクリートの劣化状態を正確に把握でき、建物の長寿命化につながります。
・テストハンマーによる強度推定調査(シュミットハンマー法)
コンクリートに打撃を加え、返ってきた衝撃からコンクリートの強度を測定する方法です。シュミットハンマーという道具を固まったコンクリートの表面に当て、20ポイントを多数回打撃し、反発度を測定し、テストハンマー強度を算出します。
メリットは、コンクリートを大きく破壊せずに強度を測定する方法の中では、最も簡単であることです。シュミットハンマーの突起部をコンクリートに密着させて押し込むと、どこかで衝撃が返ってきます。その際のメーターの値を読み取るだけです。
ただし、やり方が簡単である分、精度は他の試験方法にやや劣ります。どちらかといえば「正確な測定」よりも「強度の確認」が主目的である場合に適しており、条件が合うなら最も安価かつ手軽な方法です。
■微破壊試験のご依頼はエムズアクトへ!
微破壊試験はコンクリート構造物に少し手を加える分、非破壊試験とはまた違ったデータが収集できます。最近は構造物を傷つけない非破壊試験が主流になってきていますが、状況によっては微破壊試験の方が適切なケースもあり、使い分けが重要です。品質検査を依頼する時は、なるべく両方に対応可能な業者を選ぶといいでしょう。
エムズアクトでは、非破壊試験だけでなく微破壊試験にも対応しております。茨城県ではコンクリートの品質管理ができる会社が少ない中、エムズアクトでは検査から報告書の作成まで一括で行えます。土木管理総合試験所とのフランチャイズにより技術を習得しているため、高いレベルでの検査が可能です。
新設の構造物以外でも、ひび割れ調査から補修まで一貫して対応しております。確かな技術力とノウハウによって、どのような構造物のひび割れも確実にチェック。結果に応じて適切な補修を行い、長寿命化を実現します。保有・管理する構造物の寿命をできる限り伸ばしたい方や、強度を正確に点検したい方は、ぜひエムズアクトにご相談ください。