現場密度試験は何のために行う?砂置換法や突砂法もわかりやすく紹介  

皆さんこんにちは。

埼玉県を中心に栃木県・東京都・千葉県で、コンクリートの補修・補強工事を、茨城県を中心に構造物調査や土質・地盤調査を手がけるエムズアクトです。


土木工事をする時は、地質の状態の確認が非常に重要です。軟弱な地盤の上に建造物を建てると大きな事故につながりかねないため、事前にしっかりと地盤の調査を行う必要があります。そのための方法の1つが、現場の土の密度を調べる「現場密度試験」です。ここでは、現場密度試験の内容や必要性について解説します。




■現場密度試験とは?



現場密度試験は、土木工事の現場における土の密度(現場密度)を把握するために行う試験です。主に土の品質管理を目的として実施されます。この場合の「土の密度」というのは、土の緻密さや締まり具合の程度を割合(%)で表したものです。


基本的な方法としては、まず測定する地盤の土を掘り起こして試験孔を開けます。次に掘り出した土の質量を測定した上で、密度がわかっている他の材料を試験孔に充填します。この充填に使った材料の質量と密度から、試験孔の体積が求められ、それを利用して掘り起こした土の密度(湿潤密度)も計算できるという仕組みです。


また、掘り起こした土(もしくは現場で使用する盛土材)の最適含水比(%)と最大乾燥密度(g/m3)も室内試験で測定しておきます。最適含水比は、その土が最もよく締め固まる水分量のこと。そして最大乾燥密度は基準密度ともいい、最もよく締め固まった時の密度のことです。最終的に現場密度を最大乾燥密度と比較し「◯%を超えているからOK」という判定を下します。




■なぜ現場密度試験が必要なの?


現場密度試験の方法を聞いて「なぜ密度を測定するのにここまで手間をかける必要があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。その理由は、土にはとてもいろいろな種類があるからです。


土を主体となる成分で分類すると、粒子の細かい方から順に「粘性土」「砂質土」「礫質土」の3種類に分けられます。もう少し簡単にいうと「粘土が多い土」と「砂が多い土」と「小石が多い土」です。これらは当然ながら、「どのくらい水を含むとどのくらい締まって固まるのか」がまったく異なるため、どこの土でも同じように管理するわけにはいきません。


そこで現場密度試験を行い、「正確な密度はどのくらいなのか」「それは最大乾燥密度と比較して安全といえるレベルなのか」といったことを判断する必要があるのです。また、精度のばらつきを補正する目的で、試験は3回実施することが国交省の規格により定められています。




■現場密度試験の種類と特徴



現場密度試験の方法は、大きく分けて「砂置換法」と「突砂法」の2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、状況に応じて使い分けなければなりません。2つの試験方法の特徴を見ていきましょう。



・砂置換法

砂置換法は、主に最大粒径53mm以下の土に対して使われる方法です。建物を建てる際、地盤の安全性を見極めるためによく用いられます。試験孔を充填する時は、自然落下で砂を落とします。



・突砂法

突砂法は、主に最大粒径53mm以上の土に対して使われる方法です。高品質な盛土かどうかを調査するためによく用いられます。砂置換法との大きな違いは、試験孔に充填した砂を突砂棒(専用の金属棒)で突くことです。


なお、試験孔の深さや体積の目安、突砂法の場合に砂を突く回数、回収した土の取り扱い、そして合格となる現場密度などは細かく決められています。現場密度試験の結果次第で、そのまま工事を進めていいのか地盤改良を行うべきなのかが変わってくるため、測定は正確に行わなければなりません。試験は十分な実績のある専門業者に依頼しましょう。



エムズアクトは、さまざまな土質・地盤・構造物調査に対応している会社です。2021年7月に株式会社土木管理総合試験所とフランチャイズ契約を結び、「土木管理総合試験所FC茨城店」として業務を行っています。


弊社の調査技術員は、土木管理総合試験所へ一定期間出向。技術やノウハウを徹底的に学んでいるため、高い能力と技術を身に付けています。正確な現場密度試験を実施したい時は、ぜひエムズアクトにご相談ください。