電磁波レーダー法には資格が必要!「コンクリート構造物の配筋探査技術者」の認証制度を紹介

皆さんこんにちは。

埼玉県を中心に栃木県・東京都・千葉県で、コンクリートの補修・補強工事を、茨城県を中心に構造物調査や土質・地盤調査を手がけるエムズアクトです。


前回の記事では、構造物調査に使われる非破壊検査の一種である「電磁波レーダー法」の内容をご紹介しました。電磁波レーダー法は最近用いられる機会が増えていますが、実施するためには特定の資格が必要です。


加えて、つい最近制度の変更があったため、依頼する業者が必要な資格を持っているかどうかをよく確認しなければなりません。今回は、電磁波レーダー法の実施に必要な資格について解説します。




■電磁波レーダー法には「コンクリート構造物の配筋探査技術者」の資格が必要!


電磁波レーダー法を実施するためには、「コンクリート構造物の配筋探査技術者」という資格が必要です。国土交通省は平成17年度より、国が発注する橋梁工事におけるコンクリート構造物の適正かつ長期の品質確保のため、電磁誘導法および電磁波レーダー法による構造物調査の義務づけを進めてきました。


正確な調査を行うためには、高度な知識と技術が求められます。そこで、一般社団法人 日本非破壊検査工業会では、平成20年から「コンクリート構造物の配筋探査技術者資格認証制度」を立ち上げ、優秀な検査技術者を認定するようになったのです。電磁波レーダー法による調査を依頼するなら、この資格の保有者が在籍する業者を選びましょう。


ただし、資格を取得しても無効になる場合があります。1つは、認証機関が「資格認証技術者、申請者、証明者の倫理規則」に違反したと判断した場合。もう1つは、同じく認証機関が「資格登録者順守事項」に違反したと判断した場合です。


つまり、何らかのルール違反があると無効になるということです。以前に調査を依頼したことがある業者でも、有資格者がいなくなっている可能性はあるので、毎回資格の有無を確認するのが望ましいでしょう。




■注意!2022年に資格の認証制度が変更されています



立ち上げから十数年が経過した「コンクリート構造物の配筋探査技術者資格認証制度」ですが、実は2022年に制度の内容が変更されました。変更の全部の内容を簡単に比較すると、以下のようになります。



・変更前

学科(一次)試験の後に実技(二次)試験を行い、実技試験において電磁波レーダー法と電磁誘導法の両方に合格すると「コンクリート構造物の配筋探査技術者(土木)」の資格を取得できました。電磁波レーダー法と電磁誘導法の能力は、必ずセットで認定していたのです。



・変更後

学科試験の後、電磁波レーダー法の実技試験に合格すると「土木・電磁波レーダー」、電磁誘導法の実技試験に合格すると「土木・電磁誘導法」の資格を取得できます。つまり、2つの資格が分割され、片方だけ取得することも可能になったのです。


この変更の結果、電磁波レーダー法の有資格者の増加が期待される反面、「電磁誘導法の資格は持っているけれど電磁波レーダー法は持っていない」という人が出てくる可能性があります。従来のように「片方ができるならもう片方もできる」というわけにはいかなくなったので、依頼する業者を選ぶ際はご注意ください。




■「コンクリート構造物の配筋探査技術者」は定期的な再認証試験が必要です!



コンクリート構造物の配筋探査技術者」には、もう1つ注意点があります。それは、資格に有効期間があるということです。資格の有効期間は、資格証明書に記載の認証登録日付(初回認証登録日または更新認証登録日・再認証登録日)から5年間と定められています。


資格を維持するためには、定期的に「更新申請書」の審査を通過するか、「再認証試験」を受けて合格しなければなりません。更新の申請は有効期限の1年前~有効期限の1ヶ月前まで行えます。再認証試験は有効期限の2年前から実施され(計4回)、受験申請は有効期限の2年前~有効期限内の決められた期日まで可能です。再認証試験では、新規の試験と同一内容の実技試験が実施されます。


つまり、資格を一度取得すればそれで終わりなのではなく、更新・再認証に向けて普段から技術を磨き、場合によっては定期的に受験勉強をする必要があるのです。ルール違反があった場合と同様、「以前依頼した業者がいつのまにか資格を喪失していた」ということもありえます。正確な調査のためにも、しっかりと勉強して資格を維持している業者を選ぶようにしましょう。



エムズアクトは、さまざまな土質・地盤・構造物調査に対応している会社です。2021年7月に株式会社土木管理総合試験所とフランチャイズ契約を結び、「土木管理総合試験所FC茨城店」として業務を行っています。


弊社の調査技術員は、土木管理総合試験所へ一定期間出向。技術やノウハウを徹底的に学び、高い能力と技術を身に付けているため安心してご依頼いただけます。もちろん、電磁波レーダー法に必要な資格の保有者も在籍しています。電磁波レーダー法による構造物調査を実施したい時は、ぜひエムズアクトにご相談ください。