「標準貫入試験」について解説
皆さんこんにちは。
埼玉県を中心に栃木県・茨城県・群馬県・東京都・千葉県・神奈川県で、コンクリートの補修・補強工事を、茨城県を中心に構造物調査や土質・地盤調査を手がけるエムズアクトです。
日本は度重なる地震災害の影響から、地盤に対する関心が高い国でもあります。そのため、建設工事を行う際にもより地盤の特徴を把握するための調査は欠かせないものとなっています。中でも、日本で1950年代に導入された「標準貫入試験」は、ビルやマンションなどの建築物を建設する際に必ず実施される重要な調査のひとつです。
そこで今回は、茨城県および関東近県で地盤調査を検討されている方に向けて「標準貫入試験」という方法をご紹介いたします。
本記事では標準貫入試験とは何かと手順、メリット・デメリットについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
■標準貫入試験とは
標準貫入試験とは、地盤の硬軟の状況や締まり具合、土層の構成を判断するため、N値(土の強度や堅さの指標)と呼ばれる数値を測定する調査のひとつです。
方法は、ボーリングによって掘削した孔に鋼鉄のパイプである標準貫入試験用サンプラーを挿入し、一定質量のハンマーを落下させてサンプラーを30㎝打ち込むのに要した打撃数をカウントします。また、その際にサンプラーから地盤試料も採取しています。
一般的に、標準貫入試験はビルやマンションなどといった中規模~大規模な重量構造の建築物で実施されるため、一戸建ての場合には行われていません。その代わりに、一戸建てでは「スクリューウエイト貫入試験」と呼ばれる簡易地盤調査が行われています。
■標準貫入試験の手順について
標準貫入試験は、硬質な地盤や深い深度までの地盤を確認するために行われています。手順は以下となります。
1. ボーリング機械で試験開始予定の深度まで掘削後、ボーリング用ロッドの先端にSPTサンプラーを取り付けて孔底まで降ろす。
2. 質量63.5kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させる。
3. 孔底から15cmまで予備打ちを行ったのち、本打ちでSPTサンプラーを30cm貫入する。
4. 測定は1mごと、10cm貫入するごとに要した打撃回数を記録する。打撃1回の貫入量が10cmを超えた場合はその貫入量を記録する。
5. 30cm貫入するのに要した打撃回数を記録する。打撃回数が50回を上回るような場合、貫入量が30cm未満であっても測定を終了し、その時点の貫入量を記録する。
■標準貫入試験のメリット・デメリット
標準貫入試験はスクリューウエイト貫入試験のような簡易的なものでは貫入不可能な硬質地盤や深い深度まで地盤を確認したい場合、有効な方法となります。そのほか、以下のようなメリットとデメリットがあります。
標準貫入試験のメリット
1.多くの国で基準化された試験方法であることから、結果の評価や対比が容易である。
2. 現状の土を採取でき、土の観察が容易である(物理的な土質試験にも使える)。
3. N値の利用分野が各種の規準で確立している。
4. 過去のデータが多数蓄積されている。
5. 支層確認(N値≧50が5m連続)が可能である。
標準貫入試験のデメリット
1. 調査を行うにあたり広いスペース(乗用車2台分以上)を要するため、狭小地では調査が難しい。
2.調査時間が長くかかる(場合によっては数日かかることもある)。
3. 他の調査に比べて費用が比較的高い。
4. 超軟弱な地盤ではデータが荒くなりやすく、正確な結果が得られにくい。
5. 打撃音やモーターの音がする(騒音の発生)。
このように、標準貫入試験には多くのメリットだけでなくデメリットもありますが、結果の
精度の高さから選ばれることが多い調査方法となっています。
■まとめ
今回は、標準貫入試験とは何かとその手順、メリット・デメリットについてご紹介いたしました。標準貫入試験は、多くの国や地域で採用されている方法で、過去のデータも豊富なことから結果の評価が行いやすく、非常に有効な手法のひとつといえます。
エムズアクトでは、標準貫入試験をはじめとしたさまざまな地質ボーリング手法を用いて、安全で信頼性の高い調査サービスを提供しております。
茨城県および関東近県での地質ボーリング実績も多数ありますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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